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「 National Treason 2-2-15 炎焔猛り、叫びは轟く 」

[Canvas版] Java版

No. 5568
タイトル : National Treason 2-2-15 炎焔猛り、叫びは轟く
特徴 : 難易度:15 <s>クリア不可ですね、分かります</s> 一応踏めます。クリア出来たら(ry ★ページ最下部に中間ストーリー有
作者 : チャチャモ


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ストーリー

ヘラルド「フレア・オブ・アルドメント」

正男「喰らうかよ!」(レンガの山に身を隠す

ヘラルドの技はレンガの山に直撃したが、レンガは土なので燃えることはない。

技を放った隙を見て、正男はヘラルドにレンガを投げつける。



ヘラルド「おっと・・・」(身をかわす

正男「そこだ! バーストメテオ!」



焦っていたせいか、放たれた紅い光線はヘラルドの数センチ左に逸れてレンガに直撃した。

ヘラルドの技とは違った点は、レンガが粉々に砕け散っていた事。



ヘラルドはそれを確かめ、溜め息混じりに言葉を吐き出す。

ヘラルド「・・・やっぱアンタのが強ぇじゃねえか・・・だから面倒だったんだよ・・・・・・」

正男「はっw 覚醒もしてねーのによく言うぜw」



ヘラルド「そういやそうだったっけな・・・・・・」

ヘラルドは片腕を前に突き出すと、一言呟いた。

「最終覚醒」









轟音が部屋に轟いた。

ヘラルドの腕から湧き出てきた炎は蛇のように腕に絡みついた。
やがて炎は肩へ・・・肩から心臓へ・・・心臓から腹へ・・・
ヘラルドの周りを炎が覆いつくした。

煌々と輝く神秘的な炎は、部屋の色を紅蓮に染め上げる。
覇気だけで床や壁は軋んでおり、覚醒の恐怖で世界を塗り替えた。


凄まじいほどの熱気は部屋を旋廻し、火炎地獄を思わせた。









正男「なっ・・・・・」

威圧感に押しつぶされそうな正男。

ヘラルド「・・・・・・ここまで見せたのはアンタが初めてだ・・・もう面倒とか言ってらんねーからなw」

ヘラルドは息を吐き出して、両腕を炎で纏わせた。

ヘラルド「ここで果てろ」



中間ストーリー17 ~的外れクライシス~

記念すべき、本日10回目の轟音が建物内を駆け巡った。



「・・・凄いなw」

軍服に身を包んだ男が妖笑を浮かべながら讃えた。



クリス「心にも無い事をw」

メイガは肩を竦めると、胸の前に球体の白光を溜め始める。



クリス「撃たせない!」

クリスは瞬時にメイガとの間合いを詰めて、氷剣で斬り付けた。



メイガ「ちっ・・・!」

―――チャージは間に合わないか・・・



メイガは”チャージ”を止め、溜めていた光を剣の防御にまわした。





氷と光が拮抗し―――振れ合い―――振動し―――

超音波のように甲高い反響音が空気に満ちた。



メイガ「流石に速いな」

クリス「褒めてくれてありがとねw ・・・退かないけどっ!」




一度剣を弾き合い、間合いを取った。

そして、同時に地を蹴り再び力をぶつけ合う。





拮抗拮抗。





まさに互角。

そんな均衡を破ったのは・・・



ただ一つのベイル。

「アイス・グリーム」



剣を打ち合わせた状態から出されたその技は、剣先から放たれる氷の礫となってメイガを襲った。

メイガ「!!」



メイガには、咄嗟に剣の形を変えられる程の余裕は無く・・・・・・



メイガに直撃。



礫とは小さな氷の塊。

氷とは水の塊。

ほんの5cm立方の氷でも、重さは約110g。

それが何百個も飛来してきたのだ。



重さは数十キロを超える。





当然、メイガは余りの痛さに体勢を崩す。

メイガ「くっ・・・」



そしてメイガは見た。



クリスが大きく振りかぶった綺麗な腕を叩きおろすのを。






その手に握られた水色の刃物が、芸術的な軌道を描きつつ光を反射しているのを。





その標的が自分の頭部であることを。



―――死ぬ。





メイガは感じた。







後で冷静に考えれば、あの時は気絶こそさせられても殺される事は無かっただろう、と判断できたのだが・・・。

















生憎、冷静に考えている時間は無かった。





剣が迫っている。
当たれば死ぬ。



条件反射で・・・剣を動かし、剣先で剣を止めた。

クリス「ちっ・・・」



剣に力を加えるクリス。



メイガは全身の筋肉を総動員させて受け止める。



確かに、メイガはクリスよりも力はある。

しかし、メイガは力の作用点に剣先を使っているのに対して、クリスは剣の中央で剣を押しつぶそうとする。



てこの原理で、メイガの方が圧倒的に不利だった。



そう。確かに圧倒していた。










その刻までは。






勝てる、と思いクリスが息を吐ききった時。



メイガ「・・・・・・砕氷船って知ってるか?」



クリス「・・・・・・え?」



砕氷船。

北極や南極なんかの氷で包まれた海を航行するために考えられた船。



船首の重さで氷を砕いて、他の船が行き来しやすいようにする船の事だ。



管理人「いやー ウイキィペディアって便利だなあ」



メイガ「・・・・・・今なんか見えなかったか?」

クリス「アレを気にしてたら損するわよw」



メイガ「まあいいw ちょうど”ウチ”が戦争中の隣国、”ガルド”が北極海に面していてな、軍事使用しているらしいんだが・・・」

メイガは此処からが本題だ、と言わんばかりに薄く笑う。



クリスは聞かないふりをして、力を入れ続ける。

つれないクリスを意に介した様子も無く、にっこりと爽やかに笑った。



メイガ「その氷を割る原動力に、”レーザー光線”が検討されてるらしい♪」



クリスは思わず息を呑んだ。



ブォオオオオオン

無機質な、音。



クリスが顔を上げた時には・・・

己の氷と対峙していたのは白光煌く光剣では無く―――



赤紅に怪しく光る、ライトセーバー剣の形をしたレーザーブレードだった。

メイガ「行くぞ?」





その声のコンマ一秒後。





欠片の容赦も無く。





欠片の狂いも無く。





レーザーブレイドがクリスの氷剣に叩き込まれた。

レーザーは、的確に氷を捉えて・・・・・・。



レーザーから発せられる赤外線の刃が振動し・・・






氷剣を叩き割った。



クリス「・・・えっ」



突然目の前で起こった現実に、驚愕するクリス。

そして・・・レーザーブレイドをクリスの首に当てた。





メイガ「チェックメイト・・・と言うのは、こういう状況を指すのだろうなw」



メイガはクリスの氷剣を蹴飛ばし、クリスに囁いた。












メイガ「チェックメイトだw」


ザイレス本拠5階

ガルティス「ぐははははははは・・・・・・っ・・・」

そんな事を喚きながら、その辺に置いてあった柱を粉砕。



そしてその残骸をザトシに向かって「蹴飛ばし」、拳を構えた。



ザトシ「うぉっと・・・」(避ける



ガルティス「うおらあああああwwww」

掌と掌を掴み合わせ、振りかぶりながらザトシの方向まで飛んできた。

ザトシ「・・・・・・ちょっ・・・・・」

すんでのところでかわしたがガルティスの拳が地面に激突したとき、衝撃で床が粉砕された。





―――・・・くそ強ぇー・・・・・・

     あんなもん喰らったら死ぬだろうよ・・・



ザトシは溜め息を吐きながら、リミットまで逃げ切ろうと動き始めた。





毒の効用時間まで、あと四分。


正男「バグ・アフター・バグ!」



ヘラルド「・・・・・・リフレクト」



相殺。



正男「くっ・・・ メテオバーナー!」

ヘラルド「リフレクト」



相殺。

正男「・・・・・・・っ」

ヘラルド「どうした?」





軽く笑いながら尋ねる。

正男「何でも・・・・・・ねーよw  ヘヴンブラスト!!」

ヘラルド「学べw リフレクト





炎弾は、赤色のベールに包まれて消えていった。



正男「・・・・・・あのさー」

ヘラルドはめんどくさそうに眼だけ動かす。

ヘラルド「何?」



正男は苦笑いしながら、目の前にある赤いベールを指差す。



正男「コレ・・・・・・何?w」

ヘラルド「ベールですが何か」

正男「いや、そうでなくw」


ヘラルド「対炎属性用の強ーい防御壁、ま、そんなとこだ」



何処ぞのCMばりな台詞で解説する。

正男「・・・はっw」



正男「・・・・・・笑えねーんだよッ!」



とか吐きつつ炎竜召還。



―――リフレクトで弾かれるなら・・・ヘラルドがリフレクトを出し切る前に攻撃すりゃーいい。



そう思ったのか、正男は少しの溜めもおかず炎竜をヘラルドごと地面に激突させた。









立ち上る土煙。





正男「やったか?」



管理人「生存フラグ乙w」

正男「黙れ 死んどけ っつーか↑の台詞言わせたのてめーだろw」





管理人は正男に蹴り飛ばされた。



「・・・・・・危ねーな・・・直撃したら下手しなくても死ぬだろコレ」



正男「どーやってかわした?」



ヘラルド「ブーストって奴だよ・・・無茶苦茶魔力消費したけどな・・・・・・喰らうよりゃ面倒じゃねえだろ?」



正男「・・・・・・俺が面倒なんだよw」



・・・・・・次で終わらせる・・・・・・!



正男「ベルブラグ・アメリア!」



赤銅色の光が怪しく氷に反射する。



その光は、最後の扉がもたらしたのかレーザーがもたらしたのか・・・。




メイガ「悪い事は言わない。降伏しろw 誰が見ても決着したと思う状況だw」



クリスの首に押し当てられた、灼熱色のレーザーブレイド。





先刻、氷剣を切り裂いた時に付着したのだろう氷が、ブレイドに焼き尽くされて水滴と化してゆく。
やがて水滴は床に落ち、吸い込まれていった。

それがこの戦いの決着を物語っていた。





クリス「くっ・・・」

思わず呻き声を上げるクリス。



メイガ「どうした? 降伏しないのか? それは筋違いだろう、お互い殺意がある訳でも無いのに之以外に決着は着かんぞ?」



自分の首下で妖しく晃るレーザーブレイドを見つめた。

先程、一撃で氷剣を二つに割った光を。



何かが心に引っ掛かったが、思い出せなかった。



メイガはやるときは殺る人間。

そう知っていたクリスは、抵抗を断念する事にした。



クリス「・・・それもそうね・・・・・・」









あ、

・・・・・・思い出した。

確かレーザーの特徴で・・・。





目の前でメイガが何か話していたが気にならなかった。





クリス「氷華天奏陣」



氷の柱がメイガを包む。

メイガ「シャインガード・・・・・・馬鹿め・・・死ぬ気か!」



作っていた光剣を消す代償にバリアを出現させつつ、最後の警告を放つ。



メイガ「最後通牒だ 諦めろ! 私は貴様の首を何時でも斬れるのだぞ・・・!」



クリスは不敵に笑い、指でレーザーブレイドに触れた。



クリス「そのレーザーの波長が人間に合っている、ならねー♪」



レーザーに触れた指はうっすらと煙を上げ始めたが、それだけ。

指が掌から斬れ落ちる事は無かった。






―――・・・・・・見切られたか・・・w

メイガは心の中で舌打ちをする。



―――いや、このまま終わるのも釈然とせんと思っていた所・・・・・・むしろ、有難い・・・!






メイガ「ほう・・・w 私の脅迫を見破るとはなw」



メイガの計略。



氷剣を割る事で、レーザーに恐怖心を抱かせる。

クリスの首元にレーザーを当てる事で、死への恐怖を煽る。

降伏を迫り、無駄な魔力を使わず勝利する。

 - 動画を報告
The Carnivorous Carnival (オート) - 太鼓の達人Wii
2分 - 2009年1月18日
アップロード元: bluenotc

youtube.com
【太鼓の達人10】 The Carnivorous Carnival
2分 - 2007年12月16日
アップロード元: hetaredonda

youtube.com
Ridge Racer 6 - The Carnivorous CarnivalBGM -
6分 - 2008年5月22日
zoome.jp


刃の無い刀は死を連想させた。

しかし、弾の無い銃は抑止力とは為らなかった。


クリス「そのレーザーは氷は切り裂けても、私を切り裂く事は出来ない・・・・・・その証拠に、さっきまで貴方は左手に光剣を作ろうとしていたわw」








メイガは暫く沈黙を保っていたが、やがて嬉しそうに笑い出した。

「そう来なくてはな・・・」



メイガは襟についていた金ボタンを一つだけ外し、高らかに叫ぶ。



メイガ「ここにあっては下らん策や、剣劇、弁戦、小技は無意味だ・・・!  私はこれを最後に貴様との因縁を終える、終わらせて見せよう!」



クリス「・・・・・・そうねw 後腐れは無しって事でw」



刹那。 雰囲気は凍りつき・・・外気との熱差で部屋には風が吹きせさぶ。































メイガ「ヴァイパーレイン!」

クリス「《ジャステラ・ブレスト!》」















全てが真っ白に染まった。


竜の口から放たれた強烈な炎ブレス。

辺りの水蒸気を消し去りながらヘラルドへ向かう高温の塊に、ヘラルドはただ一言。



「リフレクト」



赤色のベールはヘラルドの手の甲から飛び出した。


その強大すぎる存在感。


その布陣には死角無し。






そして、軽々とブレスを防ぎきる








・・・・・・事は無かった。



ブレスはベールごと破壊。躊躇うことなくヘラルドの懐に潜り込んだ。

ヘラルド「・・・!」



正男「当たれぇぇ!!」






直撃。






ボスッ、と何かが詰まったような音がした直後、ヘラルドは炎に包まれた。

ヘラルド「ぐ・・・・・・ちっ・・・ヘル・ウェーブ

正男「喰らうか・・・ブレイ・バーナー


ヘラルド「右手に円を 左手にペンタクルを。 ロマナ・メイスト



炎   炎    炎。

深紅の炎が。

紅蓮の炎が。

血色の炎が。



密閉された鍛冶場を襲う。



正男「喰らうかよ!
灰塵霧焼!」




ヘラルド「行くぜ? フレイム・バースト」



正男「ガノム・キャノン」







ヘラルド「遅い グレイブ・ハルバード!」









正男「ファイア・トルネード!」









ヘラルド「グレイブ・ハルバード!」




突如始まった技の応酬。






数分間それは続き・・・・・・攻撃力の高い正男が少しずつではあるが・・・押していた。





そして・・・・・・戦いは突然終わりを告げる。

      

中間ストーリー18 ~ハッピーエンドはバッドエンドの下に成り立つ~

部屋を満たした爆閃。







衝撃で、王の間の扉を守っていた鎖が千切れた。

窓ガラスは既に粉砕。

足の踏み場さえ無い「そこ」に、立っている影が二つ。





どちらも著しく傷ついていた。



―――強くなっているとは思っていたが・・・・・・

此処までとはな・・・・・・



私の光弾を全て凍りつかせ・・・私に飛ばして来る事も想定外だったw



・・・・・・・・・面白いw








腕や背中にびっしり突き刺さった氷を振り払いながら・・・













魔力を集めようとしたが・・・







喉から逆流してきた血がそれを許さない。






―――そうか・・・・・・









・・・・・・・・・・私は・・・・・・負けたのか・・・・・・w





遠退く意識をかき集めながら、メイガは口を開く。







「貴様らは、・・・・・・・・・・何故・・・戦う?」





「・・・・・・私達の日常を守る為」



足が崩れ落ちる。







「・・・・・・そうか・・・」





「そして、最後に皆笑えれば最高じゃないw」










力無く落ちていった上半身が地面にぶつかった。







「・・・・・・そうかw」







―――限りなく自己中心的で・・・・・・・・・限りなく偽善的だなw










・・・・・・・・・そして、最高に面白そうじゃないか?
















視界が黒に染まった。


~水圧制御室~

部屋の扉が開いた。




入ってきた男は、少しも迷う事無く部屋中央の機械群に向かう。



そして、幾つかボタンを押し、レバーを捻った。





そして、無機質な表情を変える事無く、部屋から出て行った。

ヘラルド「・・・・・・」



レンガに炎が散る。



正男「喰らえ! ファイア・トルネード!」



炎が渦巻き、轟炎と為る。

ヘラルド「マジかよ・・・ リフレクト



炎の竜巻はベールに覆われ消えていった。



正男「あれw その技一回破ったのにまだ出すのかよww」

ヘラルド「防げる技と防ぎきれねー技の、区別さえ付けりゃ問題無えよw」



正男「そーかよ!」





正男はヘラルドに向かって左側に回り込もうとする。



ヘラルドは以前左腕を怪我しており、技を放てないからだ。







だが、当然ヘラルドもそれを理解している。



ヘラルドは回り込もうとする正男の足下に炎弾を撃ち込み、足場を崩した。

正男「っと・・・」

ヘラルド「させねーよw」



正男「ベルブラグ・アメリア」



ヘラルドは「リフレクト」を使う事はせず、後方に退いた。



正男(これならどうだ・・・?) 炎竜の咆哮エルルギド・ドラゴン・デ・ラーマ



炎のブレスが左から右へ。

流れるようにヘラルドを襲った。

ヘラルド「ちっ・・・」



左足を焦がしながらも、無理矢理ブレスを飛び越えて着地した。



ヘラルド「あんまし舐めるなよ・・・ クラウン・クライン!」



正男「おっと(避ける
    炎弾!」




炎弾はヘラルドの遥か右側に逸れていった。



ヘラルド「どこ狙ってる?」
























右側に逸れていった炎弾は・・・・・・窓ガラスに直撃。

割れた窓ガラスから、容赦無く吹き付ける風。

部屋は強風に満たされた。



ヘラルド「・・・!」



正男「今だ! ヘイミスフィア オブ フレイム!」







管理人「長いわw」

正男「orz」



窓が割られた事で、部屋は酸素に満ちており・・・



部屋が紅炎に包まれるには十分だった。

導火線に火が付いたような破裂音の後・・・










ゴオオオオオオオオオオオオ





鍛冶場は炎で埋め尽くされた。




ヘラルド「ぐああっ・・・」

正男「ぐっ・・・」



四方八方から迫り来る炎。

息も出来ないほどの熱気に包まれ、ヘラルドも正男も獄炎の虜となった。




―――リフレクトは一方向にしか使えねえ・・・。


どうする?

・・・・・・・・・。



・・・・・・畜生・・・。





























数十秒は燃え続けただろうか。







ヘラルド「がはッ・・・・・・・・・はァ・・・・・・はァ・・・・・・・」



無茶しやがる・・・。

火傷するのは手前も同じだってのに・・・・・・。




ヘラルド「・・・・・・やってくれるw」






焼け焦げたジャンバーを投げ捨て、正男の姿を探す。





と、気配を感じた。




左の方からだ。



慌てて左腕を動かそうとするが―――

動かない。



ヘラルド(やべえな・・・!)



急いで振り向き、右腕で迎撃しようとするが・・・


















遅すぎた。




正男「歯食いしばれ!」



ヘラルドが見たのは―――



正男が繰り出した拳。







顔面直撃。

ヘラルドは地面に殴り飛ばされた。












ヘラルドの背が地面に勢い良く叩きつけられる。



後頭部はレンガにめり込んだ。

ヘラルド「がはっ・・・!」



大の字で倒れ込むヘラルドを見て、正男は高らかに宣言した。



正男「俺の勝ちだなw」



正男はヘラルドに背を向け、部屋から出ようとした。



















「・・・・・・待て・・・・・・」







正男「何だよ?」



ふらふらと立ち上がるヘラルド。



ヘラルド「面倒くせえ事に俺はまだ立ってる・・・・・・勝負は付いてねえ・・・・・・」



正男「・・・・・・おい、あんま無理すんなよ・・・」

ヘラルド「・・・・・・気遣いはいらねーよw・・・借りつくると・・・・・・面倒クセーしな・・・」



正男はそうかよ、と苦笑いをすると、掌に炎を溜めだした。










ブシュッ・・・・・・





気の抜けるような音。




正男「スプリンクラー?」

音の原因はスプリンクラーから出る水だった。



ただし、その水の勢いはスプリンクラーのように生易しい物では無く、ポンプのような高圧水流。





数秒後、他のスプリンクラーも動き出した。




正男「えっ!?」

ヘラルド「・・・!」







水圧は勢いを増し・・・・・・
















やがて床のレンガにひびが入った。






炎の技の応酬で、レンガの温度は数百度に達し脆くなっていた。

高温のレンガのある一点に集中的に水を浴びせるとどうなるか。

その部分には穴やひびが出来る。

やがてひびは広がり・・・・・・。

























正男が気付いた時には遅かった。
















部屋の床も壁もブチ壊れて・・・





レンガや鉄の塊や床が、重力に従って夜の街へ吸い込まれていった。





当然、ヘラルドや正男も重力の対象に。



偶然に残っていた床の上に居た正男は助かったが・・・・・・




















ヘラルドの足場は崩れ去り・・・・・・・・・























ヘラルドは落ちていった。

























正男「ヘラルドっ!」












正男は咄嗟に床の端からヘラルドに手を伸ばした。



















ヘラルドは右手でその手を掴みかけたが・・・・・・













掴む直前、自尊心に衝き動かされたのか―――

はたまた、ただバランスを失っただけか?














右手は正男の掌を掴まなかった。
















堕ちていく。






堕ちていく。





正男「・・・・・・ヘラルド!」































やがて、ヘラルドの姿は小さくなり・・・

































夜の街へと吸い込まれていった。



























・・・・・・・・・。






ヘラルドッ・・・・・・。

















胸に空いた孔を誤魔化す為に・・・・・・


















ゆっくりと部屋を出ていった。




速い。



俺の目の前にガルティスの拳。











シツこい。



一秒前俺が居た場所にガルティスが居る。








力強い。



はい、ガルティスさん今日五本目の柱粉砕おめでとう。
















・・・・・・・死ぬ。





ザトシ「・・・気抜いたら死ぬな☆」

ガルティス「安心しろぉ~ 抜かなくても死ぬからよお~!」



ガルティス「牽引土陵!」

レンガが掻き集められ、一つの岩となった。





ガルティス「死にゃれええええ!!!!!!!!」

ドッジボールを投げつけるように岩を飛ばしてくるガルティス。



ザトシ「ちょっ・・・・・・ アシッドスライム!」




溶解液が岩を覆い、消滅していった。



―――・・・何とかなったか?

あと三分ってとこかな・・・。







そんな事を考えていた刹那。

















背後に迫る、凶悪な風圧。

















慌てて振り向いたその時には既に遅く・・・。

































ガルティスの強烈な蹴りがザトシの背中に叩き込まれた。












ボクッ、と何かが折れるような音がして・・・・・・
















ザトシは声にならない叫びをあげる。








そして地面を転がる様に吹き飛ばされ・・・・・・











壁に激突した。






もうもうと立ち上る土煙。







ガルティス「オイ 糞ガキ」








怒号が響く。









ガルティス「俺に毒喰らわせたからって調子乗ってるようだから忠告しといてやる」










ガルティスは地面を蹴ると、跳躍。















そして、倒れこんでいるザトシの背中に着地した。








ザトシ「ッッッッ・・・!」


血が波立った。





ガルティス「俺は・・・なんだぜ?」



何度と無く背中にガルティスの脚が振り下ろされる。

骨が折れる。

胃が潰れる。





ガルティス「ぜはははあああ!!!」




ザトシは必死にガルティスの脚に掴み掛かり続けた。












が・・・・・・











ガルティス「邪魔くせーんだよぉ! イライラすんだよぉ! 消えろぉwww 死んで俺の脚に詫び続けろやァ!」




容赦なく踏みつけられる手。



指はあらぬ方向に曲がり、破壊された。



ザトシ「くっ・・・・・・・・」







ガルティスはザトシの苦悶の声を聞くと、満足気に笑い、

ザトシの顔を右掌で掴み、そのまま持ち上げた。






ガルティス「此処で死ねやw」





ザトシ「・・・・・・」





ガルティスは愉しそうに、ニヤニヤ笑いながらザトシの耳元に囁く。








ガルティス「どうやって殺して欲しいよぉ~? 壁に頭ぶつけて脳震盪で死ぬってのはどおだぁ? こっから落ちて死んじまうってのはぁ~?」



ザトシ「・・・・・・・・ぃ・・・・・まr・・・」





ガルティス「んあ? 何だ?」







その問いに、ザトシはにっこりと笑って答えた。








ザトシ「・・・・・悪ぃ・・・少し・・・・・・黙れw」













ガルティスの額に、浮かぶ青筋。





ガルティス「おk 死ね」





左腕はユラリと構えられ・・・。

















槍のようにザトシの腹を貫いた。










―――死んだなw



そう思って左腕を引き抜こうとした。













抜けない。



あ?つっかえてんのか・・・?



ふと見ると、左腕を離さないザトシの腕。










ガルティス「・・・・・・あぁ?」



何だコイツ・・・・・・俺に攻撃する為にぃ・・・わざわざ腹抉らせたってのか!?







ザトシ「悪ィ・・・・・・w」




ザトシのいつもの口癖は、無い。

話そうとすれば普通に話せる以上、自分はまだ狂っていないのだろうと残念に思ったが・・・。














先に終わらせる事にした。












ザトシの袖から拳銃が滑り出る。



照準はガルティスの腹部。









ガルティス「・・・は・・・放せぇ・・・!」



必死に左腕の解放を試みるガルティス。



ザトシ「・・・・・・・・・」




ガルティス「放せェェェ!!!」







全力で左腕を引き抜こうとするが・・・抜けない。








何時もの彼ならば簡単に抜けた事だろう。

毒で衰えた今の彼で無ければ。












ザトシ「・・・・・・・終わ・・・・・・りだッ!」

ガルティス「や・・・・・・止めろぉぉぉ!!!」







引き金が、絞られた。




パァン!









乾いた音と共に、その場に倒れるガルティス。



ザトシ「・・・・・・解毒・・・剤だ・・・・・・」

ガルティスの横に投げ置いた。






全身が悲鳴をあげている。

今の自分には、兵士も強敵だ。

ザトシ「こん・・・な・・・・・・・・・・時は・・・・・・☆」












ポケットから、『すごいキズぐすり』と書かれたスプレーを取り出した。

ザトシ「コレを使えば体力が200アップ!ヽ(゜∀。)ノ」























ドオオオオオオオオオン

ザトシ「!?」



突如跳ね起きた影。



黒い髪に隆々とした筋肉。




















ガルティス。


















ガルティス「糞ガァアアアアアア!!!!!!」




咆哮。




そして姿勢を低くし、砲弾のようにザトシを壊しに向かった。






ザトシ「・・・・・・!? 銃弾が効いて無いのか・・・!?」







ガルティス「銃弾!? そんなもンはぁ俺様の前じゃ無ぇに等しい、無ぇもンが当たっても痛くもねぇし死にもしねェンだよぉ!」



ザトシ「無茶苦茶だ!?」






もう戦う術も、戦う力も残っちゃいない。

終わりか・・・・・・・・・。









諦めつつ、銃を構えた。















が、遅すぎた。






ガルティスは、その拳で以って、キズぐすりと銃を破壊した。





そしてニヤリと唇を歪めて、嬉しそうに叫ぶ。










ガルティス「『・・・・・・・終わ・・・・・・りだッ!』」




迫ってきた拳を感じ、ザトシは目を閉じた。

ザトシ「・・・畜生」



























しかし、いつまで経っても来る筈の衝撃は来ない。



恐る恐る眼を開けると、倒れ伏したガルティスが。











おそらく、毒が効いたんだろう☆



そう自己完結すると、傷付きすぎた体を引き摺りながら先へ向かった。

中間ストーリー19 ~踊る者達~

クリス「ふう・・・応急処置完了ー」



少女が、呟いた。



つい先刻まで死闘を続けていた男、メイガの治療を終え、ボロボロになった絨毯の上に置きっ放しにした。



既に自分の治療は終えているようで、左腕には包帯が巻かれていた。










故に、それ以上その場に留まっている意味は無い。

少女は、「よし」と一言呟き。









カードキーを扉に通した。



数秒、電子音が鳴ったかと思うと・・・





扉がゆっくりと開きだした。



クリス「・・・・・・・・・!」





扉の向こうには、椅子に座する影が一つ。
















「誰だ」



重苦しい声が室内に響いた。








クリス「私はクリス! 民の事を考えず戦を続ける彼方達に、天誅を下す為に来たの!」








俺の名はパウルじゃああああああああああ 円形脱毛症にしたろかハゲが!・・・・・・我が名はパウル・・・」





一呼吸開けて。









「・・・若造・・・大局的な義も理解出来んか・・・・・・?」



幾分しわの寄った白い眉根を吊り上げながら、老人は語る。

その髪も、眉も白髪で、目元は鷹のように鋭い。

服装も特徴的で、上は茶色の着物を着ていたが、下はスーツのような物を身につけていた。

また、その厚い胸板からして、筋肉は相当なものなのだろう。














クリスは叫ぶ。






ただ、素直に。



「目の前で人が苦しんでいたら、助けるのが私! 大局的? そんな事気にできる程私は合理的じゃないのw」

そして、氷剣をその手に表し、パウルに向かって走り出した。



クリス「らややぁっ!」





老人は、・・・パウルは、走ってくるクリスを睨み付け、ため息を吐き一言。



「・・・・・・愚者が・・・」


~某所~

温かい光が室内を照らす。

ただし、その光は天然の物では無く、部屋の天井に取り付けられたシャンデリアの物。



その部屋の中央にある大きなソファー。



そこに、『彼ら』は腰掛け、談笑していた。

『彼ら』は決して男ばかりでは無く、何人か女も混じっていた為『彼ら』と呼ぶのは些か語弊があるかもしれないが。



しかし、そんな暖かい雰囲気とは対照的に、石壁や石床が冷え切った空気を室内に送り続ける。



「よし、リム火倒しに行くか?」
「そんなアセンで大丈夫か?」
「大丈夫だ 問題ない」
「リム火舐めてたら死んじゃうよ 私の宿敵もリム火だし」
「待て、リム火は俺のライバルだ」
「たまにはピン・ファイアーの事も思い出してやれ・・・」
「俺はリムの方が好きだ」
「俺も」
「俺も」
「き、貴様らっ・・・裏切ったか・・・!」
「お前ら忘れたのか、、、採掘場でピンと撃ち合ったあの日を・・・」
「ミサイルで苛めまくったあの日を忘れたのか・・・」
「あの声の渋さを忘れたのか・・・」
「お前らろくな思い出が無えな」


他愛も無い会話で盛り上がる。



ただし、彼らのポケットや胸部には、防弾チョッキや、弾薬がしまわれており・・・。



彼らが遊ぶ為にここに居るのでは無いことは、明白だった。



「まあ待てお前ら、ここはサッカーの話をしようじゃないか」
「脈略無えな」
「はっ・・・ 脈略無えなw」
「皆無だな」
「零だな」
「サイファーだな」
「メタルギアだな」
「お前らの方が脈絡無えだろ・・・」

ピピピ...



部屋に流れた電子音。



「ん・・・ 来たかw」
「マジっすか ジェイザーさん」
「俺の・・・出番だ!」
「何処行きゃいいの?」
「どうすりゃええのよ!」
「・・・・・・・・・冷静。・・・・・・・・・沈黙。」
「まっ・・・ パウルの部屋にでも向かえば間違いは無えだろ」
「そりゃそうだw」

ヒャッハァー!」
「気分はまさに世紀末ダッヒャー!」
「ダッヒャーって何」
「・・・・・・・・・寒冷。・・・・・・・・・病院。」

「おいお前、ミルラっちの言葉訳せ」
「俺に振るなよ お前、やってみろ」
「え、俺?」
「お前だ」
「新たな領域に挑戦してみろ!」
「そうだ、新しい自分に遭えるぞ」
「じゃあ訳してやる、『・・・・・・寒いを通り越して冷たい。・・・・・・病院に行って』」
「・・・・・・・・・正解。」
「先生 ミルラさんがサラッと酷い事言ってきます」




緊張感の欠片も無い集団が部屋を出て行った後。





部屋には、灯りだけが残された。

~五階~

ザトシ「・・・・・・いて・・・ぇ・・・☆」



体中から悲鳴が上がる。






足を引き摺り、歩き続けるが・・・





すぐに耐えられなくなった。





とりあえずその辺のベッドに座り、一休みする事にした。



しかし・・・

「ガハッ・・・」














吐血。





やがて遠退く意識。










あれ、俺長編1で死ぬのかw?











正男の手伝いも出来ずに死ぬのかw?











アイツとの約束を守れぬまま死ぬのかw?











このまま独りで死ぬのかw?








・・・・・・・・・。












どうせ死ぬなら・・・・・・笑って死ぬかw





その方がアイツも喜ぶだろうw













確かこういうのを走馬灯って言うんだよなあw















・・・・・・ったく・・・走馬灯ならもう少しロマンティックな事を思い出させてほしいな☆







・・・管理人め・・・・・・・・・。

管理人「ヌラァ」
ザトシ「KY」
管理人「orz」







よし、管理人が出てきた・・・・・・。














いくら走馬灯でも・・・管理人が・・・・・・・出てくりゃ・・・・・死ぬことは無いだろ・・・・・・・・・・・w























既にザトシの指の骨も、背中のあばら骨も胃も腸も潰れかけている。











数歩歩けただけでも、奇跡だったのだ。




奇跡は長くは続かない。































ザトシの意識は・・・消えた。























~ザトシが気絶して20分後 同場所~



「あらら~ 死にかけてんじゃないの~♪」



妖しげな女の声が、ヒールの地面を叩く音と共に奏でられる。

女の瞳は怪しく光り。

饒舌に言葉を紡ぎだす。



「いつまでも”傍観”してたんじゃ~、つまんないからね~w」










女の名は、シルビア。



女はザトシの背中に手を当てながら、笑う。

シルビア「手~、ださせて貰うわよw」


正男「くそッ・・・ヘラルドは落ちるし、サイモンも何処にいるか分かんねーし・・・・・・」





と、何かを感じ取り、急いで正男は立ち止まる。



懐かしい魔力。

その魔力はクリスのもので、廊下の先の方から響いてくる。

正男「追おう!」



暫く走っただろうか。

魔力は既に収まりかけていたが、確実に自分のすぐ傍から感じられた。



正男「・・・ん! アレは・・・・・・」



正男が見たのは。





開け放たれた扉。



中を覗くと・・・・・・。























仁王立ちした一人の老人と、床に倒れ伏した傷だらけのクリスが居た。



パウル「・・・何だ・・・、自信霧満に源宜しく、勝負を挑んで来たと思うたら・・・・・・蓋を開ければ唯の蚤か・・・・・・」

クリス「くっ・・・・・・」



正男「クリス!」



突然聞こえた反逆者の声にも、パウルは動ずる事無く。



パウル「・・・新手だな?」

正男「・・・・・・お前を説得して、戦争を止めさせる為に来たんだがよ・・・ミサイル基地への電力の供給もお前が止められるんだろ? 止めてくれねえか?」

パウル「論外だな」

正男「民の為に戦ってるのは俺もお前も同じ筈だろ!? 戦争が無くなれば誰も苦しまずに済む!」





パウル「貴様は青い・・・青すぎて眩暈がするわ・・・・・・・・・平和というのは、次の取引への準備に過ぎぬ・・・我が国だけ平和に現をを抜かした所で、何も解決はせぬわ!」



正男「オッケー・・・なら力づくでも分からせてやる!」



浩二「僕空気orz」















































争う者。

狙う者。

妖う者。

堕つ者。

哂う者。













結末は、近い。